主に蝶の写真を中心にアップします。

naoggio写真日記

         この日の朝は前回の記事で書いた通り山手に蝶の発生の様子を見に行ったものの蝶の姿はほとんど見られな
         かった。そのままカメラを担いで会社に行ったので帰りがけにまた寄り道をしようと思って考えた結果東横
         線を大倉山駅で下りて大倉山記念館に行ってみることにした。
         この記念館、何かのコンサートで館内のホールに行ったのを最後に少なくとも10年以上訪れていない。
         記念館の建つ丘の裏手には梅林があって、家族と一緒に、あるいは小学校の遠足でよく訪れた。そんな時、
         丘の上の森の中でいつも静まり返っている神殿のような建物を見て、ここはいったい何なんだろうと不思議
         に思ったものだ。美しいなと思いつつどこか恐ろしくもあった。
         そんな訳でここは私にはとても思い出深い場所ではあるのだが、特に用事でもない限りなかなか足を運ばな
         いものである。

         2011年4月20日の記事(CLICK)に1975年に撮影した同じ建物の写真があるが、改修前なのでか
         なり汚れていて時代を感じさせる。またその記事の最後にそこで出合った3人の子供のポートレイトを載せ
         てあるが、その写真は私が今まで撮った写真の中の最も忘れがたい1枚である。


 170419em1P4190054.jpg
         <OLYMPUS OMD E-M1 MarkⅡ/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO>
         駅横の坂道を登って一度カーブし、さらに進んで左手の階段を上がると大倉山記念館(旧大倉精神文化研究
         所)の正面に出る。階段上から建物までも充分な距離があって佇まいとしてはかなり感じがいい。
         この建物は1932年に東洋大学の学長なども務めた大倉邦彦によって「大倉精神文化研究所」として建設
         された。研究所の主旨は「東洋と西洋における精神文化の研究を行うことによって知性の向上を図りそれに
         って世界文化の進展に貢献する」というもの。
         設計者は多くの日銀支店などを手がけた古典主義建築家の大家、長野宇平治(ながのうへいじ、1867~
         1937)。彼は晩年の作であるこの建物を自ら「プレヘレニック様式」と呼んだそうだ。
         「プレヘレニック様式」と聞いて首を傾げる方は多いと思うが、それもそのはず、西洋建築にそのような様
         式は存在しない。長野はシュリーマンによって発掘されたヘレニズム以前の遺跡であるミケーレ島やヘレナ
         島などを実際に回っているらしい。そこで見たものと在来の知識を紡ぎ直してこの建築に生かしたのだろう。
         一見して私達のもっている西洋建築の概念とは異質なものを感じるのはそのせいである。
         ギリシャ神殿の特徴であるエンタシスの列柱は逆円錐形の列柱に置き換えられ、詳細は省くがディティール
         もクレタ、或はミケーネ起源のモチーフが使われている。西洋ではシュリーマン以前に古典様式が確立して
         いたのでこのような建築は存在しない。世界にただ一つの貴重な、そしてある意味陳腐な建築と言えるのか
         もしれない。



         170419gfxDSCF2918.jpg
         <FUJIFIILM GFX 50S / GF120mm F4 R LM OIS WR Macro>
         逆円錐形の列柱はとても個性的だ。上部西側の列柱が左後方からの斜陽に照らされて輝いていた。



         170419em1P4190155.jpg
         <OLYMPUS OMD E-M1 MarkⅡ/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO>
         正面入り口。



 170419em1P4190169.jpg
         <OLYMPUS OMD E-M1 MarkⅡ/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO>
         正面入り口上部。クレタ起源のデザインがふんだんに詰め込まれた特徴的な部分だ。



         170419em1P4190097.jpg
         <OLYMPUS OMD E-M1 MarkⅡ/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO>
         入り口を入ると正面に階段。登れば突き当たりにホールの入り口ドア、左右から一段下りると回廊形式のギ
         ャラリーがある。



         170419em1P4190076.jpg
         <OLYMPUS OMD E-M1 MarkⅡ/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO>
         ホール入り口ドア周りにもクレタ起源の意匠が溢れている。



         170419em1P4190078.jpg
         <OLYMPUS OMD E-M1 MarkⅡ/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO>
         中央吹き抜け。四方の窓には黄褐色の型ガラスがはめ込まれていて、折からの夕日に照らされて内部はオレ
         ンジがかった黄金色に輝いて見える。



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         <FUJIFIILM GFX 50S / GF120mm F4 R LM OIS WR Macro>
         鷲と獅子が交互に並んでいる。東京美術学校の教授であった水谷銕也の彫刻である。



         170419em1P4190080.jpg
         <OLYMPUS OMD E-M1 MarkⅡ/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO>
         2階吹き抜けに面した回廊の壁面にはこんな格子がはまっていた。当時としては最新鋭のセントラルヒーテ
         ィングが採用されたというからこれも空調の吹き出し口かもしれない。



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         <OLYMPUS OMD E-M1 MarkⅡ/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO>
         2階回廊に置かれたベンチ。



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         <OLYMPUS OMD E-M1 MarkⅡ/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO>
         西側階段室



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         <OLYMPUS OMD E-M1 MarkⅡ/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO>
         柱周りのベンチもしっかり作り付けられている。2階のベンチとは意匠が異なるが、脚部正面に彫られた柱
         は建物のそれと同じく逆円錐形をしている。



 170419em1P4190107.jpg
         <OLYMPUS OMD E-M1 MarkⅡ/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO>
         外に出て建物の西側に回ってみた。



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         <OLYMPUS OMD E-M1 MarkⅡ/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO>



         170419gfxDSCF2878.jpg
         <FUJIFIILM GFX 50S / GF120mm F4 R LM OIS WR Macro>



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         <OLYMPUS OMD E-M1 MarkⅡ/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO>
         こちらは東側。シャクナゲが奇麗に咲いていた。



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         <OLYMPUS OMD E-M1 MarkⅡ/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO>
         6時になろうとしていたが建物に次々に人が入って行く。今は市の施設として色々な用途に使われているの
         でこれからコンサートか会議があるのだろう。



         170419em1P4190205.jpg
         <OLYMPUS OMD E-M1 MarkⅡ/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO>
         次回はいつ訪れることになるだろう。








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青山学院の近くで、オーダー家具のショップをやっています。
このブログでは仕事と関係ない趣味の写真を中心に、日々の出来ごとや思い出など書いて行こうと思います。
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