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日々のスナップ、風景、そして蝶の写真など

naoggio写真日記

         山寺で「波の伊八」の彫刻と出会う

         大山寺の続き。この寺の本尊を納める不動堂はなかなか立派なもの。殊に正面向拝の下には初代伊八が彫っ
         た龍があってこれが圧巻。また調べてみたら本尊を囲む厨子もたいへん凝ったものだそうだが残念ながらは
         っきりと見ることができなかった。
         また不動堂より建築年代の古い鐘楼も素晴らしく一見の価値があると思う。

         撮影は全て
         <OLYMPUS OMD E-M1 MarkⅡ/ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO>

         
         鰐口の金の緒のに「昭和39年度大山中学校卒業生一同」と彫られている。私より5歳上くらいの地元の方
         々が平成21年に奉納したものらしい。



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         不動堂天井にはたくさんの千社札が貼られているけれど、てっぺんの方は一体どうやって貼っているのだろ
         う?



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         大きな千羽鶴がかかっている。



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         不動堂の中から外を見る。木鼻に施された象の彫り物もなかなか見事だ。



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         十王像(おそらく)の一つ。



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         御本尊の「不動明王坐像及び両脇侍立像」。鎌倉時代の作と言われている。



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         不動堂より年代が遡るといわれる鐘楼。建築当時の工法の特徴をそのまま残す貴重な鐘楼だが傷みが激しく
         心配である。



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         梵鐘。高蔵山というのがこの寺のある山の名前で山頂に高蔵神社が祀られている。



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         鐘楼の柱の根元は丸く削られている。庭の端に薪が積み上げられていた。



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         不動堂の破風を見上げる。懸魚(げぎょ)も大きく立派だった。



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         そしてこれが正面向拝下のアップ。何も知らずに立ち寄った寺ではあったがとりわけ正面の飛龍の見事さに
         息を呑んだ。調べてみて初めて、これが江戸期の有名な彫刻師である「波の伊八」こと武志伊八郎信由の掘
         った飛龍であることを知った。すぐ下にある地龍と合わせて、その躍動感といいディティールの表現力とい
         い、いやはやこれはまったく見事と言う他ない精緻な彫刻である。

         武志伊八郎信由(たけしいはちろうのぶよし)は宝暦2年(1752)に、鴨川市打墨で生まれ、幼少の頃か
         ら器用な一面を見せたらしい。彫刻師、嶋村貞亮に弟子入りして腕を磨き次第に人気彫刻師となってゆく。
         とりわけ波の表現に卓越していて、西の彫刻師達が「関東に行ったら波を彫るな」と言ったくらい、その仕
         事は広く認められていたらしい。
         この向拝の飛龍と地龍、地龍の立つ波濤から昇った水気が飛龍のいる天空で雲となって再び雨となって地を
         潤すという大いなる循環を表現しているとも謂われる。波の伊八50代の円熟期の作である。
         この初代伊八は文政7年(1824年)72歳で亡くなっているが、その後五代目伊八(高石伊八朗信月)が
         昭和29年に亡くなるまでの200年近くの間、その技は引き継がれてゆくことになる。
         南関東を中心に多くの作品を残した伊八一門なので、それと知らずに見ていたこともあるかもしれない。


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         伊八は葛飾北斎と同時代人で、北齋の波の表現にも影響を与えたといわれる。左の写真の欄間彫刻は千葉県
         いすみ市の行元寺にある伊八の作品であるが、北齋の『神奈川沖浪裏』と比べてみると面白い。
         この時代、こういう波の表現は普通だったのかもしれないが、これほどダイナミックで大胆な構図は珍しい。
         もしも本当に北斎が伊八の用いた構図にヒントを得て『神奈川沖浪裏』をを描いたのなら、日本が世界に誇
         る美術作品の一つである『神奈川沖浪裏』は、波の伊八がいなければ生まれていなかったのかもしれない。
         この2枚の写真を見比べてみて、私は伊八の欄間、或いはその下絵を見た北斎が、波間に漂う宝玉の向こう
         に富士の姿を見たような気がしてならないのだが・・・



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         大山寺はなかなか見応えのある寺だったが全体に傷みが激しく心配である。ネットで調べて見たらNPO法人
         で「特定非営利活動法人かもがわ大山寺保存会」が存在し活動しているようである。
         こういった文化財を見ると日本全国の1世帯が10円か15円ずつの寄付をすれば大規模な修復が可能なの
         にと思ってしまう。せっかくITが進歩したのだから、様々なことに誰もが簡単確実に寄付でき、また寄付金
         の使途をしっかりと管理できるるシステムがあってもよいのではなかろうか。

         ともあれ大山寺という思わぬ収穫に気分を良くして、Sさんとあれこれ批評しながら夕刻の大山寺を後にし
         た。

         とまあ、ここまではよかったのだが・・・





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横浜でオーダー家具のお店をやっています。このブログは仕事と関係のない日々のスナップや過去の写真、また大好きな蝶の写真を中心にアップしていきます。家具に興味のある方はリンクトップの会社ホームページにも是非遊びにいらして下さい。

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