主に蝶の写真を中心にアップします。

naoggio写真日記

          オールドレンズの記事です。今回はフランス製の P.Angenieux (ピエール・アンジェニュー)Paris 25mm
         F0.95 。世界中に多くのファンをもつ銘玉です。16mmシネカメラ用のレンズで、Cマウント用アダプター
         を介してミラーレス機で使用できます。美ボケレンズの代表格であるマクロスイターに対して、切れ味のアン
         ジェニューと言われる事もありますが、絞りによってその写りは千変万化。開放時のフレアをまとったような
         ロマンチックな描写。そして少し絞った途端に霧消する曖昧さという極端な2面性を備えており本当に魅力的
         なレンズです。開放近くではフレアーをまとったアウトフォーカスの中に、きりっとした合焦部分が控えめに
         潜み、「夢と現実の間を埋めるレンズ」みたいな表現をされる事もあるようです。
          このレンズについて今更私がくどくどと書く事はないのでこれくらいにしておきますが、あまり知られてい
         ないようなので一つ書き加えておきますと、アメリカのアポロ計画に先立つレンジャー計画の際、天体望遠鏡
         写真ではない人類初の月面至近距離撮影を行ったのがこのレンズでした。チューブに納められた6台のカメラ
         のうちの2台に取り付けられたアンジェニュー 25mm F0.95は、月面に向かって落下して行くレンジャー7
         号が月面に衝突するまでの17分間にわたって数千枚の画像を送り続けたリモコンカメラの眼として見事にそ
         の役割を果たしました。東京オリンピックの年、1964年の事です。そして偶然ですが私の入手したこのレ
         ンズもシリアルNoから1964年製である事がわかりました。


    150610tg3P6100083.jpg  150610tg32P6100070.jpg
         アメリカの大手光学機器メーカーBell & Howell にレンズを供給していたため刻印がBell & Howell Angenieux
         となっています。39mm というフィルターサイズのとてもコンパクトかつシンプルな鏡胴で、とにかく美しい。
        フィルターネジ山のピッチが特殊らしく、フィルターなしで使われる事が多いので、前玉の拭き傷や曇りが多いレ
        ンズと聞きましたが、この個体はそういった問題が全くなくきれいな状態を保っていました。フィルターについ
        ては市販品を取り付けたら外れなくなったという話も聞きますが、HANSAのアルト クラシックフィルター39mm
        というのを試してみた所、レンズ付属の薄型フードには最後に若干重くなる程度で問題なく取り付けられました。
        レンズ本体では怖いので試していません。

 150612tg3P6120110.jpg
         赤い円筒形の可愛らしい元箱も付属していましたが、箱の底に記されたシリアルNoはレンズのものとは違って
        いたのでこの個体の元箱という訳ではないようです。
      

150610tg3P6100034.jpg1290円という激安アダプターを介してE-P5に取り付け。



150609angP6090013.jpg
         開放で食器棚のガラス製品を撮影してみました。基本軟調のレンズなので柔らかい描写。それにしてもロマンチ
        ックな写り。PCの画面で見ていても陶然となってしまいます。


    150609ang2P6090013.jpg 150609ang2P6090015.jpg
      f0.95                             f2

    150609ang2P6090017.jpg 150609angP6090019.jpg
        f4                              f8
         上の4枚は異なった絞り値での画面中央部の切り出しです。もともとイメージサークルの小さな16mmシネカ
        メラ用のレンズなので、f0.95という開放値から連想されるほどのボケ量はありません。加えて基本的にはパンフ
        ォーカスが理想のシネレンズなのでボケの少ない設計がなされているのでしょう。このような近接撮影でもf8~11
        くらいでほぼパンフォーカスとなって行きます。


         150609ang3P6090013.jpg
          開放での合焦部の切り出しです。ハイライトに滲みが見られますが、輪郭は案外くっきりと描かれています。
         画像全体を見ていた時には合焦部のこのアウトラインは想像できませんでした。

         150609angP6090016.jpg
          f5.6の切り出し。恐ろしくシャープです。

       150606angP6060053.jpg
         窓辺に置かれた木彫を開放で撮影してみました。このように周辺が明るい構図の場合、M4/3ではかなりケラレ
        が出ます。トリミングするか、NIKON1のようなさらに小さなイメージセンサーのカメラで撮影する方が良いかも
        しれません。フレアがかった背景にリングボケ、オーバーイメージサークルから来る周辺部のぐるぐるボケ。シネ
        レンズらしさが出ています。

            150606ang2P6060053.jpg
             合焦部の切り出しです。ざっくりした木彫のような軟質な素材の場合輪郭は一見曖昧に見えま
            すが、よく見ると細い線でしっかり描かれているのがわかります。


150606angP6060074.jpg
         カウンターに並べられたグラスをf2で撮影したもの。合焦面からアウトフォーカスへの移行は滑らかで美しいと
        思いました。

            150606ang2P6060074.jpg
             上の画像の切り出し。グラスのエッジに注目です。本当にリアルな線で描かれています。



          150605angP6050049.jpg
           夕暮れ時の驟雨の中を行く女性。f2~2.8 程度の絞り値でも中〜遠距離では大きくボケないのでこうい
          った絵作りには持ってこいだと思います。


150606angP6060007.jpg
         道端の紫陽花を気楽に写しても何気に嬉しい画が撮れる。そんなレンズです。これからも愛用したいと思います。



 

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青山学院の近くで、オーダー家具のショップをやっています。
このブログでは仕事と関係ない趣味の写真を中心に、日々の出来ごとや思い出など書いて行こうと思います。
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