東京ステーションギャラリーで月映(つくはえ)の展覧会があったので家内と見に行ってきた。月映は田中
恭吉、藤森静雄、恩地孝四郎の3人の画学生によって1914〜1915年にかけて刊行された木版画の作
品集である。
私もその中の何点かの作品については認識があったものの、わずか1年の間にこれだけ内容の濃い作品群を
残していたとは思ってもいなかったので正直驚いたし、また感動もした。
1914年は第一次世界大戦勃発の年であり、東京駅開業の年でもある。それからちょうど100年。時間
の感覚というのは歳をとるほど短く感じられるようになるものだが、以前はたいそう昔の事のように思えた
「月映」の時代が、近頃ではたった100年前の事なのかという気がして、妙に居心地の悪い気分を覚える
から不思議だ。
残念ながら会期は終了してしまったが、機会があれば一部でもいいからまたじっくり見てみたいと思う。

図録はこの展覧会の内容にふさわしくとても上品な装丁のものだった。下に図録
の中から3枚を拾って載せておく。

恩地孝四郎 「望と怖」

田中恭吉 「失題」 藤森静雄 「自然と人生」
東京ステーションギャラリーは丸の内北側の小ドームの中に作られた階段で各階の移動をするようになっている。
ここを通ると古いレンガの壁が周囲を取り囲んでいて興味深い。

小ドームの最上部。ステンドグラスやアーチ付きの丸窓、シャンデリアが見られる。
OLYMPUS OM-D E-M5/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

内壁は木材で補強されていたようだが現在は壁面に合わせて切り取られている。戦災の時の火災でかなり内部まで炭化しているのがわかる。アンジェニューで落ち着いた色を狙ってみた。
OLYMPUS OM-D E-M5/P.Angenieux Paris 25mm f0.95

ウォーレンサック・シネラプターの開放近くの収差を生かして壁を撮ってみる。
OLYMPUS OM-D E-M5/WOLLENSAK CINE RAPTAR 1inch f1.9

OLYMPUS OM-D E-M5/WOLLENSAK CINE RAPTAR 1inch f1.9

旧東京中央郵便局の "KITTE"(切手と来てを盛り込んだネーミングらしい) に入ってみた。内部は広大な吹き抜けになっていた。どうやって改装したのか知らないが感心してしまった。
OLYMPUS OM-D E-M5/WOLLENSAK CINE RAPTAR 1inch f1.9

7階の洋食店から見た東京駅。ガラス越しの悪条件ながらシネラプターで案外クリアに撮れた。
OLYMPUS OM-D E-M5/WOLLENSAK CINE RAPTAR 1inch f1.9
恭吉、藤森静雄、恩地孝四郎の3人の画学生によって1914〜1915年にかけて刊行された木版画の作
品集である。
私もその中の何点かの作品については認識があったものの、わずか1年の間にこれだけ内容の濃い作品群を
残していたとは思ってもいなかったので正直驚いたし、また感動もした。
1914年は第一次世界大戦勃発の年であり、東京駅開業の年でもある。それからちょうど100年。時間
の感覚というのは歳をとるほど短く感じられるようになるものだが、以前はたいそう昔の事のように思えた
「月映」の時代が、近頃ではたった100年前の事なのかという気がして、妙に居心地の悪い気分を覚える
から不思議だ。
残念ながら会期は終了してしまったが、機会があれば一部でもいいからまたじっくり見てみたいと思う。

図録はこの展覧会の内容にふさわしくとても上品な装丁のものだった。下に図録
の中から3枚を拾って載せておく。

恩地孝四郎 「望と怖」


田中恭吉 「失題」 藤森静雄 「自然と人生」
東京ステーションギャラリーは丸の内北側の小ドームの中に作られた階段で各階の移動をするようになっている。
ここを通ると古いレンガの壁が周囲を取り囲んでいて興味深い。

小ドームの最上部。ステンドグラスやアーチ付きの丸窓、シャンデリアが見られる。
OLYMPUS OM-D E-M5/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

内壁は木材で補強されていたようだが現在は壁面に合わせて切り取られている。戦災の時の火災でかなり内部まで炭化しているのがわかる。アンジェニューで落ち着いた色を狙ってみた。
OLYMPUS OM-D E-M5/P.Angenieux Paris 25mm f0.95

ウォーレンサック・シネラプターの開放近くの収差を生かして壁を撮ってみる。
OLYMPUS OM-D E-M5/WOLLENSAK CINE RAPTAR 1inch f1.9

OLYMPUS OM-D E-M5/WOLLENSAK CINE RAPTAR 1inch f1.9

旧東京中央郵便局の "KITTE"(切手と来てを盛り込んだネーミングらしい) に入ってみた。内部は広大な吹き抜けになっていた。どうやって改装したのか知らないが感心してしまった。
OLYMPUS OM-D E-M5/WOLLENSAK CINE RAPTAR 1inch f1.9

7階の洋食店から見た東京駅。ガラス越しの悪条件ながらシネラプターで案外クリアに撮れた。
OLYMPUS OM-D E-M5/WOLLENSAK CINE RAPTAR 1inch f1.9
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- / comment:6
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Re: 月 映
- 2015/11/12(木) 14:23:16 |
- URL |
- naoggio
- [ edit ]
木版画が御専門のkazenohane さんの事ですので、
この3枚をご覧になられただけで彼らの画業がいかに魅力的なものであったかをご理解頂けると思います。
わずか1年の間にあれだけの作品を生み出した画学生達の版画に賭ける思いが伝わってくる素晴らしい展覧会でした。
今思い出しましたが田中と恩地は萩原朔太郎の最初の詩集『月に吠える』の挿絵も手掛けています。
何故が自宅に『月に吠える』の初版復刻版が2冊あるので仕事から帰ったらゆっくり見てみます。
そう・・・100年前って最近ですよね(笑)。
でもこの100年で、世の中から詩情のようなものが減りましたね。
Re: タイトルなし
- 2015/11/12(木) 14:35:38 |
- URL |
- naoggio
- [ edit ]
はい。芸術の秋ですねえ。
やはり寒くなってなんとなく危機感を感じてこないと、どうも詩的な発想は出てきにくいですね。
引きかえ、夏の蝶撮影は夢の中みたいです(笑)。
Sippo☆ さんのお母様はどんな方?彫刻も絵画もやられていらしたのですか。素晴らしいですね。
Sippo☆ さんがアーティスティックな表現を好まれるのはお母様から受け継がれた資質という事ですか。
東京駅の写真、「ここにいるみたい」とは嬉しいお言葉、ありがとうございます。
Re: タイトルなし
- 2015/11/17(火) 10:57:44 |
- URL |
- naoggio
- [ edit ]
『月映』の作品をこれだけまとめて見られる事はないと思いますので嬉しい展覧会でした。
つぶさに見て行くと西欧の色々な画家の影響を受けながら彼らが独自の画境を切り開いて行く過程がわかって本当に面白かったです。
久しぶりに文学臭ぷんぷんの作品群に触れて古き良き時代を偲ぶ事ができました。
シャンデリアの写真はわざとスクエア・フォーマットで撮ってみました。その方がこの空間の感じが伝わり易いような気がしたので。
お褒め頂いたのは嬉しいですが、ダンダラさんでしたらもっと良い写真になったのではないかと思いますよ。
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横浜でオーダー家具のショップをやっています。
このブログでは仕事と関係ない趣味の写真を中心に、日々の出来ごとや思い出など書いて行こうと思います。
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