主に蝶の写真を中心にアップします。

naoggio写真日記

         時系列的には4月12日の記事(CLICK)、そして4月15日の記事(CLICK)の続きとなる。
         15日の記事の後半に出て来る室内写真は港の見える丘公園のイギリス館の中だが、その2階を見学してい
         たら少し離れた所にいた家内が「富之助(私の母方の祖父)の銅像作ったの誰だっけ」と言うので「信道
         (しんどう)さんだよ」と言いながら近寄ってみたら、丸窓の下に三体の頭像が置かれていて、その隣に井
         上信道さんの略歴等の書かれたパネルがイーゼルに載せて置いてあった。
         井上さん作の、横浜に縁の深かった外国人の方々の頭像を展示し、合わせて作者の紹介をしたという事らし
         い。
         彫刻家の井上信道(いのうえのぶみち)さんは京都府小倉出身の彫刻家で、長く横浜で活躍されていた。
         1928年に私の母校の前身である浅野総合中学校を卒業され1934年に東京美術学校を卒業されている。
         私が高校3年の時に文化祭で企画した在学生と卒業生による美術展覧会に作品を出品して下さり、この時初
         めてお目にかかる機会を得た。1974年の事だったと思うので、井上さんが65歳の時だ。
         お名前は本当は「のぶみち」と読むらしいのだが、私の周囲の多くの人は親しみを込めて「しんどうさん」
         と呼んでいた。
         実は昨日母親に聞いて初めて知ったのだが、私が面識を得る以前から私の家と井上家とは親交があったらし
         い。井上さんのお宅は私の自宅から徒歩5〜6分ほどの所にあって、私の母方の祖母と井上さんの義理のお
         姉さんが仲がよく、頻繁に行き来があったそうである。
         そんなご縁もあってか、税理士だった母方の祖父の胸像を作る話が横浜税理士会から持ち上がった時に井上
         さんが製作する事になった。ブロンズ像制作にあたってのデッサンのために、母は祖父に付き添って幾度も
         井上さんのアトリエにお邪魔したそうである。出来上がった胸像は長い事自宅に置かれていたので、私は御
         本人を知る以前から毎日井上さんの作品を見て暮らしていた訳だ。
         その胸像は、祖父が亡くなった時に岡崎市の料亭に婿入りしていた母の弟がさっさと持って行ってしまった
         ので、今は愛知県にあるはずである。

         井上さんとはほんの数回お目にかかっただけだが本当に素敵な方だった。40年ほど前、私が東横線反町駅
         のプラットフォームに立っていたら、井上さんが駅の階段を一段飛ばしで駆け上がって来られた。既に66
         〜67歳になられていたと思うのだが、目を瞠るような若々しい足取りだった。私を見つけると早速「その
         後どう?」とお聞きになるので「(絵具代稼ぎの)アルバイトが大変で」と答えると、我が意を得たりとい
         ったお顔になられ「そうなんだよ、それが一生の問題なんだ。ぼくも同じなんだよ ! 」と手振りを交えなが
         ら大きな声でおっしゃられたのが強く印象に残っている。この日はイタリア人の来客があるとかで、横浜に
         買い物に出る所だとおっしゃられていたが、ご自身からして外国人のような、長身痩躯でダンディーな風貌
         のとてもエネルギッシュな方であった。
         その後井上さんにはお目にかかる機会がなく、気がつけば40年が過ぎてしまった。


160410em5P4101267.jpg



         160410em5P4101262.jpg
         この説明パネルを見るとここにこれらの像が置かれたのは平成18年の事らしい。
         前回ここを訪れたのは2012年10月7日(CLICK)の記事の時、つまり平成24年だから、その時既に
         この展示はここにあった事になる。しかし全く記憶にない。我ながらどこに目を付けているのかと思うと情
         けなくなてしまった。
         


       160410em5P4101283.jpg
         イギリス館エントランスホールに置かれたこの立像も井上さんの作品である。
         極めて素朴な表現の中に、対象の人間性や仄かな感情の揺らぎを感じさせる作風。井上さんの作品を見てい
         るとどこか安らいだ気持ちになる。
         殊にこの像の何かを見つめる視線の奥に、聡明で素直な心の輝きを見るようで感じ入るものがあった。



         井上信道さんの作品は↓のweb ページで見られますので興味がおありの方は是非御覧下さい。

         井上信道の世界http://www.kanagawarc.org/inoue/inoue_n/index.html
         



         以下は4月10日、イギリス館に立ち寄った際撮影した未掲載画像。


         長い時間遊んでくれたヒオドシチョウ。



      160410em5P4101205.jpg
         丘を下る外国人親子。



160410em5P4100346.jpg
         フランス山を行くカメラマンとモデルさん。



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         噴水脇のこの桜、種類はわからないが10日の時点で満開だった。



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  1. 彫刻
  2. / trackback:0
  3. / comment:4
  4. [ edit ]

  1. 2016/04/20(水) 06:19:13 |
  2. URL |
  3. ダンダラ
  4. [ edit ]
芸術家の方との親交のお話、興味深いです。
今のご職業を選ばれたのも、お育ちになった環境とあながち無縁ではないんでしょうね。
足のテーピングは外れたんでしょうか。

Re: タイトルなし

  1. 2016/04/20(水) 12:40:43 |
  2. URL |
  3. naoggio
  4. [ edit ]
> ダンダラ さん
長ったらしい記事をお読み頂き感謝致します。
今思えば本当に素晴らしい方が近くにいたのに親交を深められなかった事が残念でなりませんが、
歳も50歳近く離れていたので致し方ないかもしれません。
私がこんな仕事をしているのは、そうですね、確かに周囲の環境の影響は大きかったかもしれませんね。
足の方は昨日テーピングがとれて一段落ですが、外してみるとテーピングがずいぶん支えになっていたんだなと驚きました。
もう一週間はおとなしくしているように医者に言われましたが、もう大丈夫だと思います。
ご心配下さりありがとうございます。

古武士の風格

  1. 2016/04/23(土) 20:02:22 |
  2. URL |
  3. ヒメオオ
  4. [ edit ]
イギリス館の近くで佇む
「ヒオドシチョウ」長い越冬で傷んだ翅が、
歴戦の雄姿の面影を感じました。

Re: 古武士の風格

  1. 2016/04/24(日) 06:17:59 |
  2. URL |
  3. naoggio
  4. [ edit ]
> ヒメオオさん
なるほど、そうですね。
越冬を終えたタテハ類が日光浴をしている姿には一種独特の感慨を覚えます。
戦い抜いてきたもののふが、つかの間の安息の時を楽しんでいるかのような。
ヒオドシチョウはその名も鎧の緋縅からきているので正しくそんなイメージです。

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naoggio

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青山学院の近くで、オーダー家具のショップをやっています。
このブログでは仕事と関係ない趣味の写真を中心に、日々の出来ごとや思い出など書いて行こうと思います。
家具に興味をお持ちの方は、リンクトップの「order furniture standards」の方にも、是非遊びにいらして下さい。

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