英国ダルメイヤーの16mmシネカメラ用レンズ「スピード・アナスティグマート」を入手した。一時期も
てはやされた戦前のシネレンズで、上品でファンタジックな描写をするので以前から興味があったが、最近ネ
ットで検索してみたらオークションサイトに程度の良さそうなものが出品されていたので落札した。
ツァイスでプラナーやテッサーを発明したパウル・ルドルフがフーゴ・マイヤーに再就職して後1922年
に発明した「キノ・プラズマート」と同じ構成のレンズである。
広いイメージサークルを持つ軟調のレンズで、開放付近では独特の滲みと暴れを見せてくれるが、その破綻
の仕方が独特で美しい。
尤もそんな評価はもちろん、M4/3 などのミラーレス機で Cマウントレンズがデジタル撮影に使えるように
になってからの話で、発明当時は M4/3 などよりかなり受光面積の小さな16mmフィルムで使用したので
周辺画質はあまり問題ではなかったようだ。恐らく中心部のシャープネスや明るさに重きを置いて開発され
たレンズだったのだろう。
スピード・アナスティグマートのレンズ前面に刻まれたレンズ名の SPEED の文字が " " で囲われている
事からも、当時の f1.5 という明るさに対する自負が見て取れる。


全てがシルバーのモデルもあるようだが購入したのはブラック鏡胴にメッキリングの組み合わせ。シリアル
Noから推測すると1940年前後の製品と思われるが詳細は不明だ。1inch の Cマウントレンズとしては
標準か少し小振りな大きさで、PEN E-P5 に取り付けてみたらブラックボディーとなかなかマッチングが良
かった。
以下に何枚か作例を貼っておく。
OLYMPUS PEN E-P5 / DALLMEYER "SPEED" ANASTIGMAT 1inch f1.5

レンズの届いた4月22日。自宅の玄関先を撮影した。

翌23日、長野県で見かけた蔵。古いものがいい感じに写るレンズだ。

キケマンの群落。開放だとグルグルボケが華々しい。

タラの芽。これを見てしまったので帰りに道の駅で売りに出ていたタラの芽についつい手が伸びた。

役目を終え、山中でひっそりと朽ちて行く古い水門の機械部分。

サクラを撮ったら背景の暴れ方が凄まじかった。

25日。再度長野県を訪れた。地面で落ちついていたヒメギフチョウを撮ってみた。開放近辺でシャープな
のは中心部だけなので被写体は極力中央に配置した方が良さそうである。

カタクリの花。

森の中を撮ってみる。穏やかな色とコントラスト、ふわっとしたピント面。噂通りのファンタジックな描写
だった。



4月27日。出掛ける前に飼い猫を撮った。ふわっとして見えるが合焦部の解像度はなかなかのものだ。

仕事で行った千葉の住宅展示場にて。

夜は家内が京都から帰ってくるので新横浜まで迎えに出た。

新横浜のスーパーマーケットに並んでいたキャンベルスープの缶。優れたデザインのものはそれだけ撮って
もなんだか絵になるから不思議だ。
この描写、飽きそうな気もするし、はまりそうな気もする。いずれにしても暫く使ってみないとわからない
が、以前から使っているアンジェニューやウォーレンサックの1inch レンズとの比較も面白いかなと思って
いる。
てはやされた戦前のシネレンズで、上品でファンタジックな描写をするので以前から興味があったが、最近ネ
ットで検索してみたらオークションサイトに程度の良さそうなものが出品されていたので落札した。
ツァイスでプラナーやテッサーを発明したパウル・ルドルフがフーゴ・マイヤーに再就職して後1922年
に発明した「キノ・プラズマート」と同じ構成のレンズである。
広いイメージサークルを持つ軟調のレンズで、開放付近では独特の滲みと暴れを見せてくれるが、その破綻
の仕方が独特で美しい。
尤もそんな評価はもちろん、M4/3 などのミラーレス機で Cマウントレンズがデジタル撮影に使えるように
になってからの話で、発明当時は M4/3 などよりかなり受光面積の小さな16mmフィルムで使用したので
周辺画質はあまり問題ではなかったようだ。恐らく中心部のシャープネスや明るさに重きを置いて開発され
たレンズだったのだろう。
スピード・アナスティグマートのレンズ前面に刻まれたレンズ名の SPEED の文字が " " で囲われている
事からも、当時の f1.5 という明るさに対する自負が見て取れる。




全てがシルバーのモデルもあるようだが購入したのはブラック鏡胴にメッキリングの組み合わせ。シリアル
Noから推測すると1940年前後の製品と思われるが詳細は不明だ。1inch の Cマウントレンズとしては
標準か少し小振りな大きさで、PEN E-P5 に取り付けてみたらブラックボディーとなかなかマッチングが良
かった。
以下に何枚か作例を貼っておく。
OLYMPUS PEN E-P5 / DALLMEYER "SPEED" ANASTIGMAT 1inch f1.5

レンズの届いた4月22日。自宅の玄関先を撮影した。

翌23日、長野県で見かけた蔵。古いものがいい感じに写るレンズだ。

キケマンの群落。開放だとグルグルボケが華々しい。

タラの芽。これを見てしまったので帰りに道の駅で売りに出ていたタラの芽についつい手が伸びた。

役目を終え、山中でひっそりと朽ちて行く古い水門の機械部分。

サクラを撮ったら背景の暴れ方が凄まじかった。

25日。再度長野県を訪れた。地面で落ちついていたヒメギフチョウを撮ってみた。開放近辺でシャープな
のは中心部だけなので被写体は極力中央に配置した方が良さそうである。

カタクリの花。

森の中を撮ってみる。穏やかな色とコントラスト、ふわっとしたピント面。噂通りのファンタジックな描写
だった。



4月27日。出掛ける前に飼い猫を撮った。ふわっとして見えるが合焦部の解像度はなかなかのものだ。

仕事で行った千葉の住宅展示場にて。

夜は家内が京都から帰ってくるので新横浜まで迎えに出た。

新横浜のスーパーマーケットに並んでいたキャンベルスープの缶。優れたデザインのものはそれだけ撮って
もなんだか絵になるから不思議だ。
この描写、飽きそうな気もするし、はまりそうな気もする。いずれにしても暫く使ってみないとわからない
が、以前から使っているアンジェニューやウォーレンサックの1inch レンズとの比較も面白いかなと思って
いる。
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Re: タイトルなし
- 2016/05/05(木) 05:23:11 |
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- naoggio
- [ edit ]
はい。おっしゃる通りこのようなレンズが再び日の目を見るというのは面白いものですね。
マニアの間でしか知られていないような名玉もあるようで、中には桁外れの高値がついているものもあります。
完全にコレクターズアイテムですが。
ヒメギフチョウは現代レンズで撮り終わってもまだゆっくりしていてくれたのでオールドレンズでも撮ってみました。
もう少し背景の遠い所に止まってくれていたら良かったのですが、まあそんな事は普通に撮影していても滅多にありませんからね(笑)。
このレンズ、スナップには向いていそうです。ただヘリコイドが重いので調整オイル交換に出さないと素早いピント合わせがきついです。
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このブログでは仕事と関係ない趣味の写真を中心に、日々の出来ごとや思い出など書いて行こうと思います。
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