主に蝶の写真を中心にアップします。

naoggio写真日記

         9月5日の記事(CLICK)でヤマキチョウの広角画像を撮影したスーパーアンギュロンの話。下左がレンズ
         単体の画像。右はアダプターを介して専用フードを取り付けたスーパーアンギュロンをEOS6Dに取り付け
         た所。電子接点付きのアダプターで、フォーカスが合うとファインダー内のフォーカスポイントが点灯し、
         電子音で知らせてくれるが、接点の具合が今一つのようで機能したりしなかったりするし、エラーも出る事
         が多い。アダプター選びは慎重にしないといけないようだ。
         尚このレンズのフィルターはライカ純正だとS8となり、普通の72mmでも問題なく使用できる。


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         ところでAngulon という言葉はどうやらエスペラント語らしい。英語のAngleに当たる。アンギュロンの
         広角版でスーパーアンギュロン・・・ベタだ。
         製品名に人工言語(人工でない言語ってあるのか?とも思うが)を使った所が面白い。
         もともとは対称型レンズであったアンギュロンの直接の設計者はシュナイダー・クロイツナッハ時代のアル
         ブレヒト・ウィルヘルム・トロニエで、1930年代の事だと思う。ツァイスのビオゴンと同形と言われる
         が、ルーツとしてはシュナイダーに先がけてカメラ用レンズの製造を始めたゲルツ社の製品「ダゴール」が
         それに当たるらしい。
         このダゴールはカール・ツァイスを震撼させたレンズとして知られるが、元々はドイツ生まれのデンマーク
         人エミール・フォン・フーフが発明した対称型レンズ、「ドッペルアナスチグマート」である。フーフはこ
         のレンズをカール・ツァイスに売り込みに行って断られたが、ゲルツがその特許を購入、製品名をドッペル
         アナスチグマート・ゲルツ(Doppel-Anastigmat Görz)として 製品化。後に頭文字をとってダゴールと
         した。
         トロニエがどういうインスピレーションでダゴールからアンギュロンへの発展を思いついたのかは私にはわ
         からない。レンズの配置図を見れば似ているからなんとなくそうなのかなと思うくらいだが、光学知識のあ
         る方、或はトロニエの業績に詳しい方なら「ははーん、なるほど」となるのかもしれない。

         ところでユダヤ人眼科医であったザメンホフによってエスペラント語が発表されたのが1887年。先出の
         ゲルツ社が写真業界に参入したのが同じく1887年の事。シュナイダー社におけるアンギュロン命名には
         何の関係もないだろうが、年代の符合というのは何故か心引かれるものがある。

         どうでもいい事をくどくどと書いたが、アンギュロンのルーツを考える上でダゴールは外せなかった。そし
         てアンギュロンの一番外側とその内側のレンズを離して配置する事で広角対応したのがスーパーアンギュロ
         ン。ようやくこの名称に到達する事ができた。
          さて、スーパーアンギュロンについては私が今さら書く事は何もない。大判からライカのレンジファイン
         ダーまで広く使われてきた広角レンズだ。この記事で使用しているレンズはライカの一眼レフ用。Rマウン
         トのもの。3カムタイプでレトロフォーカス ! ? って、対称型じゃないじゃん、なんのための前置きだった
         の?と言われてしまいそうだが、対称型では後ろ玉が大きく飛び出して一眼レフのミラーと干渉してしまう。
         実際対称型だった第一世代のスーパーアンギュロンR 21mm f3.4はライカフレックス等でミラーアップの
         上、目測距で使用していた。それでは不便という事で1968年以降はレトロフォーカスに変更されている。
         それでも手にしたいスーパーアンギュロンという名称の心地よい響き。それを少しでもご理解頂きたいがめ
         に前置きを書いた。レンズの性能に直接関係なくても、どういう訳かストーリーに弱いのである。
         ライカのRマウント一眼レフは生産中止なのでこのレンズも30年近く前のものだろう。さて、どんな写り
         をするのか、ネット上に作例は山ほどあるが、やはり自分で使ってみない事にはわからない。因にこのレン
         ズはフルサイズ一眼やミラーレス機で問題なく使用できる。バックフォーカスが長い分ミラーレスでも色か
         ぶりが少ない。シュナイダー製の実用的なライカ広角レンズである。

          今週初めの日曜日、EOS 6D にスーパーアンギュロンをつけていつもの氷川丸を撮影してみた。このレン
         ズの導入を検討されている方がもしかしたらこのブログを御訪問下さる事もあるかもしれない。その時に多
         少なりとも参考になればと思うのでたくさん貼っておく事にする。

         <Canon EOS 6D / Leitz Super Angulon R 21mm f4 /2016年9月4日>
        

            1609036dsuanguIMG_1794.jpg



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  1. カメラ
  2. / trackback:0
  3. / comment:6
  4. [ edit ]

  1. 2016/09/10(土) 18:48:36 |
  2. URL |
  3. ダンダラ
  4. [ edit ]
30年位前のレンズにしては外観がすごくきれいですね。
それに写りも素晴らしいですね。
その頃は私も蝶の撮影に熱中していたころですが、マクロレンズオンリーで広角なんて考えもしませんでした。

スーパーアンギュロン

  1. 2016/09/11(日) 09:58:05 |
  2. URL |
  3. kazenohane
  4. [ edit ]
こんなレンズということが写真でよく分かりました。
これで30年前のオールドレンズなんですか。
とても新しい感じのするレンズですね。
このレンズのウンチクも興味深く読みましたよ。
ひずみもなく、味わい深い色調が魅力的ですね。

Re: タイトルなし

  1. 2016/09/11(日) 13:33:04 |
  2. URL |
  3. naoggio
  4. [ edit ]
>ダンダラ さん
そうなんです。
ネットオークションは写真での判断になるので手元に届くまで詳細な状態はわからないですがこのレンズはかなり程度が良い方だと思います。
写りもとても気に入りました。シュナイダー製なのに、気のせいかやはりライカのテイストを感じてしまいます。
30年前ですね。お恥ずかしい話ですが私は子育てとポケモンに夢中でした(笑)。
写真は何を撮るにも6×7で、本当に元気だったなあと思います。
フィルム時代のダンダラさんの蝶の写真、もっと拝見してみたいです。

Re: スーパーアンギュロン

  1. 2016/09/11(日) 14:03:39 |
  2. URL |
  3. naoggio
  4. [ edit ]
> kazenohane さん
このレンズはとても有名なレンズですから今更私のような素人があだこだ解説するのもお門違いのように思いますが、
自分自身が理解を深めるという意味で記事を書いています。これだけ書くだけでも色々と調べて多少は勉強になりますからね。
1968年発売のレンズで、けっこう長い間作られたようですが、おっしゃる通りオールドレンズという感じはあまりしません。
わずかに周辺減光を見せるものの、ディストーションも押さえられていてシャープです。
これまたおっしゃる通り、発色は味わい深く、解放付近では周辺減光とあいまってとてもいい感じに写ります。
戦後の光学技術の進歩の歴史の中で、記憶されるべき1本であると思いました。

  1. 2016/09/11(日) 17:00:17 |
  2. URL |
  3. midori
  4. [ edit ]
30年前のレンズとはいえ、やはり単焦点F4となると、当初ではかなり明るいレンズだったのでは...
ズームレンズに比べて、レンズ構成がシンプルなんでしょうか。とてもいい写りをするようですね。
船体の壁の凹凸や、波紋がきれいに表現されていますね。6Dとの組み合わせもいいのでしょう。

Re: タイトルなし

  1. 2016/09/12(月) 11:26:46 |
  2. URL |
  3. naoggio
  4. [ edit ]
> midoriさん
この手の広角レンズでまず思い浮かぶのは東ドイツ時代のカールツァイスで作られていたフレクトゴンです。
20/25/35mmのラインアップがあり、20mmは1961年の発売でした。f値は35mmだけがf2.8 でもう2本は共にf4でした。
どれも大変優秀なレンズで、1970年代にはマルチコートのMCフレクトゴンとなります。
MCフレクトゴンは20mmでf2.8ですから、スーパーアンギュロンが発売された1976年の時点ではf4という数値自体は普通と言えるかもしれません。
当時は35mm用の超広角レンズというのは珍しかったので、フレクトゴンは東西両陣営でよく売れたそうです。イデオロギーを越えたレンズ、なんて言う人もいます。
ライカとしてはこれに対抗したかったのでしょうが超広角レンズを作るノウハウがない。それで「苦しい時のシュナイダー頼み」
でスーパーアンギュロンを発売しました。
大口径レンズの時と同じです。ライカも色々と苦労しているんですね(笑)。

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青山学院の近くで、オーダー家具のショップをやっています。
このブログでは仕事と関係ない趣味の写真を中心に、日々の出来ごとや思い出など書いて行こうと思います。
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