主に蝶の写真を中心にアップします。

naoggio写真日記

         9月10日の記事(CLICK)と同じ時、氷川丸でもう1本のライカRマウントレンズも使ってみた。
         APO-MACRO-ELMARIT-R 100mm f2.8である。既に9月5日の記事(CLICK)の末尾でマクロ撮影の作例
         を載せているので、それより少し引いた写真を掲載してみたいと思う。


   160908em5P9080305.jpg   160908em5P9080307.jpg
         アポ・マクロ・エルマリート R 100mm f2.8 。左は繰り出しなしで右はヘリコイドを一杯に繰り出して組
         み込みのフードも引き出した所。程良いトルク感のヘリコイドリングだが、一杯に繰り出すにはけっこうた
         くさん回さないとならないのでなかなかに忙しい。
         そして最大に繰り出した時の最短撮影距離が45cm。倍率1/2 なので、今時のマクロレンズと比べるとマ
         クロとも言えないようなスペック。にも拘らず 760g もの重さがあるのだから恐れ入る。
         ELPRO(エルプロ)という名前の専用クローズアップレンズを併用すると等倍撮影ができるとは言え、マク
         ロレンズとしては前時代の遺物感は拭えない。
         このレンズはAPO-MACRO-ELMARITの頭文字をとってAME(アメ)という愛称で、ライカの一眼レフであ
         る R シリーズを使っていた人達の間で人気が高かった。「アメ」という言葉がピッタリのとろけるようなボ
         ケと、今日でも充分通用すると思われるピント面の鋭いシャープさが魅力であると言われる。


         アポ・マクロ・エルマリートのアポはアポクロマート( Apochromat ) のアポであるが、この言葉は明確
         には定義しにくい。ウィキで見てみると、「3色に対して軸上色収差を補正し、そのうち2色についてアプラ
         ナート(球面収差とコマ収差が解消されている)になっているレンズ」という事になる。要するに収差が完
         璧に近く補正されているレンズという事だが、確固たる基準がある訳ではないのでちょっと主観の含まれた
         表現という気がしないでもない。
         収差の補正のためには蛍石やある種の鉱物を含有した異常分散ガラスを使用したレンズを巧みに組み合わせ
         る必要があり、たいへん高度な設計技術を必要とされる。
         馬脚を現すといけないので光学技術の話はこれくらいにしておくが、いずれにせよ収差の補正が高次で達成
         されていないものをアポクロマート仕様と謳ったのではメーカーの沽券に関わるから、そこはやはりそれな
         りの製品を作らないと、という事になる。
         1988年に発売されたこのレンズも6群8枚の構成の中にEDレンズを3枚使用したかなり贅沢な設計で、
         高次元で収差の補正を追求したものと推測される。
         実際その辺りのデータを詳細に分析したネット記事などもあって、拝読するにその点は完璧ではないまでも
         アポクロマートと言って差し支えないレベルのようである。。解像度の方ももそれなりに高そうだ。
         あとは発色やボケ味、他フィーリングの部分となる。


         そんなに枚数を撮った訳ではないが、実際に撮った写真をPC画面で見てみて、第一印象は「このレンズ凄
         い」というもの。
         何が凄いと言って独特のリアリティーある写りが凄い。今回はα7Ⅱで撮影したが、若干青緑がかった色調の
         中に豊かな階調とコントラストの同居した独特の立体感を見せてくれる。
         35mm用レンズ中最強のマクロ、という評価をする人も多いこのレンズ、もちろんマクロ域での緻密な描
         写も魅力だが、近くから遠くまで、撮影距離に関わらず発揮される生き生きとした情景描写力はある意味壮
         快ですらある。アウトフォーカスの美しいボケが、その事に大きく貢献しているのは間違いない所。やはり
         確かなピント面と美しいボケというのは標準レンズ以上の焦点距離を持つレンズの必須条件なのだろう。
         実際それだけでは語り尽くせない魅力がこのレンズで撮った写真にはあるような気がするが、私の貧弱な知
         識と語彙ではそれを的確に表現できないのが残念である。

         以下使用機材は全て<Sonyα7Ⅱ / Leitz Apo-Macro-Elmarit-R 100mm f2.8>


          

           160904α72apoelmDSC05485



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 160904α72apoelmDSC05498



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  1. カメラ
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アポ マクロ

  1. 2016/09/15(木) 09:11:18 |
  2. URL |
  3. kazenohane
  4. [ edit ]
おはようございます。
レンズ作例記事、とても興味深いです。
35㎜レンズ中、最強のマクロですか、納得です。
単にシャープだけではなく、深い階調表現は魅力的ですね。
いつも氷川丸の船内が登場しますが、
少し青錆のある金属の器具類の質感表現が凄いなと思います。
それに何と言っても、落ち着いた味わいのある色調に魅せられますね。
noggioさんの感性を最大限に生かすレンズのひとつですね。

おはよございます。

  1. 2016/09/16(金) 06:45:21 |
  2. URL |
  3. マル
  4. [ edit ]
昔の機械って手が込んでる造なので素敵ですね。
コスト感覚とかはあまり気にせず作る事ができたのでしょうかね。

Re: アポ マクロ

  1. 2016/09/16(金) 20:07:56 |
  2. URL |
  3. naoggio
  4. [ edit ]
> kazenohane さん
今晩は。遅くなってスミマセン。
このレンズ、充分な性能とライカらしい味を併せ持った優れものです。
最新レンズと比べると性能的にはやっぱり一昔前のレンズだなとは思いますが、そこに宿るリアリティーには一種独特の凄みを感じます。
言葉では上手く言い表せないのですが、何処か自分の体験と似た絵を作ってくれるんですね。
「noggioさんの感性を最大限に生かすレンズ」なんて嬉しい事を言われると舞い上がってしまいますが、
せっかく入手したので撮影に生かしていきたいと思っています。

Re: おはよございます。

  1. 2016/09/16(金) 20:26:20 |
  2. URL |
  3. naoggio
  4. [ edit ]
>マル さん
今晩は。ご無沙汰してしまってスミマセン。
船内の古い機械を見ていると色々な事を考えてしまいます。
これらの機械は何処でどうやって作られたのか、そしてどんな人達がどんな状況で動かしたのだろうとか。
金属の表面に浮き上がった緑青や、塗り重ねられたペンキがそれを語っているような気がします。
と同時に、マルさんのおっしゃるように今の機械とは異なった文字通り手をかけて作られた造りに驚かされます。
確かにコスト度外視的に良いものを作り出せた時代なのかもしれませんね。

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青山学院の近くで、オーダー家具のショップをやっています。
このブログでは仕事と関係ない趣味の写真を中心に、日々の出来ごとや思い出など書いて行こうと思います。
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