主に蝶の写真を中心にアップします。

naoggio写真日記

         昨日の続きでまた氷川丸。
         こちらはGFX50Sでの撮影。どこか和風漂う FUJIFILM のカメラの写りである。
         撮影は全て
         <FUJIFIILM GFX 50S / GF63mm F2.8 R WR >

 
         母親に手を引かれて一等児童室を見学する子供。

         私が両親に連れられて氷川丸を初めて見学に訪れたのは5歳か6歳の時なのでこの写真の子よりもう少しは
         大きかったかもしれない。あれから半世紀以上が過ぎてしまったとは・・・

         氷川丸は昭和3年に起工して昭和5年に竣工した船である。私の母は昭和2年の生まれだから氷川丸の起工
         準備が進んでいた頃に生まれたことになる。
         氷川丸を訪れる度に思うのが物と人間の歳のとり方の相違である。氷川丸に乗船して船内を歩いていると、
         これが母親が生まれる前には存在もしなかった船だとは到底思えないのである。なんだかもっと古くからあ
         ったもののように見えてならない。

         だいたい時間の感覚というのは甚だ曖昧なものだし相対的に理解すべきものなのかもしれないが、氷川丸と
         母親を思い比べてみるとそれだけではない理由があるのではないかという気がする。では物に刻み付けられ
         た90余年と人のそれとは何が違うのか。

         もちろん人間は生き物なので老化しつつも常に修復を繰り返しリフレッシュしている。だがその点は氷川丸
         も同じで、老朽化しつつもリペアを繰り返し、長きにわたって保存されるよう努力がなされている。それで
         も氷川丸の方が大いに年を経て感じられる原因の最たるものは、人間に備わっている「魂」と呼ばれるもの
         の存在のせいではないだろうか。

         魂の実像も近頃では科学的にだいぶ解明されつつあるようだ。いずれ電気信号の集積と酵素などの物質のや
         りとりの統合的結果が魂なのであろうが、そういった手法の説明はこの際置いておくとして、私が面白いと
         思うのは、生まれた時から死ぬまで、魂というのはあまり変化することがないように思える点である。
         「三つ子の魂百までも」とか「馬鹿は死ななきゃ治らない」などとよくいうように、持って生まれた性質と
         いうのはそうそう変わるものではない。それは単に性格というようなものではなく、その人のひととなりで
         あり本質的なもののように思える。そんな魂の存在が、人間にある種の不変的印象を与えているのではない
         だろうか。
         そして私達が(とりわけ近しい間柄の)人間を見るときは、姿形よりその魂のありようを見ているような気
         がするのである。
         だから母親が亡くなって棺桶に入れば、その時私がまだ生きていればの話だが、私はそこに初めて氷川丸と
         同じ年齢の母親の姿を見いだすのかもしれない。

         最近再読した『実存主義』(松浪信三郎 岩波新書 1962)の冒頭に、大戦後間もなくサルトルが行な
         った実存主義をテーマにした講演にハイデッガーが異を唱えた顛末が書かれているが、氷川丸と私の母親と
         いうほぼ同年代のものを比べて感じたことは、本質存在哲学と現実存在哲学という彼らの立脚点の相違を思
         い出させる。

         サルトルの講演から73年、現在では現実存在でしかないはずの機械にすらAIという「本質存在」が見え隠
         れし始める時代となった。もう少しAIが進化してシンギュラリティーに達する頃に人間は、数百年を経ても
         歳とって見えない機械の魂を見ることになるのだろうか。

         蛇足ながら書いてしまえば、(母は墓に入るのはまっぴらだから散骨しろと言っているが)供養が済んで墓
         石と向き合えば、私は多分またそこに母の魂を見るのだということは今までの経験からわかっている。
         で、これってどこかで聞いたストーリーだなと思ったら、宗教説話でお馴染みの「復活」の物語だった。
         
         


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 180212gfx63DSCF8536.jpg



         180212gfx63DSCF8564.jpg
         <RAW現像でACROSモードに変換>



 180212gfx63DSCF8574.jpg
         <RAW現像でACROSモードに変換>


 180212gfx63DSCF8582.jpg
         <RAW現像でACROSモードに変換 トリミング>
         船腹でオナガガモが仲良く餌を探していた。
         





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横浜でオーダー家具のショップをやっています。
このブログでは仕事と関係ない趣味の写真を中心に、日々の出来ごとや思い出など書いて行こうと思います。

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