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日々のスナップ、風景、そして蝶の写真など

naoggio写真日記

今日は以前に旅先で見かけた素晴らしい彫刻のお話です。
ヴェネツィアのサン・ポーロ地区にある「サンタ・マリア・グロリオーザ・ディ・フラーリ」教会。
長いので普通はフラーリ教会と呼ばれています。有名な教会なので訪れたことのある方も多いことでしょう。
多くの聖遺物や美術品を所蔵しています。
圧巻は何と言っても ティツィアーノ の聖母被昇天でしょう。これは、この絵の前に立ち感動に打ち震えたかのワグナーが、その場で「ニーベルングの指輪」の完成を心に誓った、という逸話とともに有名ですね。実際素晴らしい絵で私も感動しました。
それから アントニオ・カノーヴァの心臓が納められた、カノーヴァ自身の作となるピラミッドも、静謐で神秘的な美をたたえた傑作だと思います。これはウィーンにもほぼ同じものがあります。
他にも色々ありますが、今日記事にさせて頂きたいのは ドナテッロ の「洗礼者ヨハネ」です。
奥の方の中央から外れた祭壇の中にある小さな彫刻で、色も地味なので知らないと見過ごしてしまうかもしれないような彫刻です。
始めはふ~んと思って見ていましたが、しばらく見ているうちに、ドナテッロの驚くべき鑿の冴えが伝わってきました。襤褸を身にまとったヨハネの、極めて微妙な全身の重心の偏りや、上と下に向けられた腕と指の動きが見事に表現されています。そしてこの顔の表情・・・
少し離れた所を見つめるその目に、人間の抱く様々な心と、達観しているようで何かに怯えているような、余りにも繊細な光が宿っているのを見て、正直胸が高鳴りました。
イエスに洗礼を与えたヨハネではありますが、彼は飽くまで人間であって神ではありません。その微妙な違いを、ドナテッロはこの彫刻で見事に表現したように思いました。
私はかねてから彫刻における精神性の表現においては、西洋の彫刻より日本の彫刻の方が上手だと思ってきました。今もそれに変わりはありませんが、時々これは・・・という西洋の彫刻を知る機会もあります。この「洗礼者ヨハネ」も間違いなくその一つです。

ヨハネ1


ヨハネ2

1、2枚目とも撮影は2007年1月です

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Author:naoggio
横浜でオーダー家具のお店をやっています。このブログは仕事と関係のない日々のスナップや過去の写真、また大好きな蝶の写真を中心にアップしていきます。家具に興味のある方はリンクトップの会社ホームページにも是非遊びにいらして下さい。

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